以前ハイゴケで苔ダマを作ってみたのですが苔も育たず、 植物(観葉植物を植えました)もすぐ枯れてしまったのですが、 中に使用した土の配合が悪いのでしょうか? ハイゴケとスナゴケどちらが育ち易いのでしょうか? 樹皮培養土を使ったほうがいいのですか? 8cmの苔玉にはどのくらいのハイゴケが必要でしょうか? ------------------------------------------------------- ・・観葉植物について 観葉植物を苔玉に使う場合、 その中の土は重要になります。 通常苔玉ではケト土だけでは重たすぎるので、 ケト土に樹皮培養土や赤玉土細粒、川砂、ミズゴケ等を入れて、 30分ほど充分に捏ねておきます。 富士砂を入れるても良いかもしれません。 いずれにしても植える植物に合わせて調整します。 さらに緩行性肥料を数粒植物に合わせて入れます。 この土はある程度万能な土になりますが、 それでも水はけを好む植物の根を覆うには重すぎるかもしれません。 この場合は根を包まず、 苔玉の核になるように入れておく程度でよいかもしれません ・・スナゴケについて 苔玉の素材としては一般には山苔かハイゴケ。 これは乾燥しても葉が余り縮れないことと、 環境にあえば良く育つためです。 スナゴケはかなりな日照に耐える苔ですが、 耐えているときは葉を閉じており見た目は良くありません。 またこのときに無理に水を与えて葉を広げても、 苔の生育には良く無いかと思われます。 いずれにしても室内で管理するには不向きな苔かと思います。 ・・苔の生育について 完成時にいきなり室内に置きっぱなしにしても苔は育たないかもしれません。 ある程度育てた苔玉はその環境に適してくるので、 育てるのも容易になりますが、 いずれにしても室内で森林とおなじような空中湿度と日光を期待するのは難しく、 苔の生育環境としてはかなり厳しいものと考えるべきかと思います。 室内に数日おいたら保湿容器や屋外の適当な環境に同程度の日数は置いて育てる。 苔を複数作ってローテーションさせると苔も良く育ちます。 ・・樹皮培養土について 樹皮培養土は水耕栽培用の用土で腐りにくいと言うミズゴケよりさらに腐植しにくく、 保水性と通気性があるため、 苔玉のような利用には苔との相性がとても良いかと思います。 樹皮培養土を使うことで苔玉の失敗はかなり少なくなるかと考えています。 ・・苔玉を育てるのは難しいか これは苔に適した環境か、またそのような取扱をしているかによります。 たとえば弊社では昨年11月に完全に乾燥させた苔玉10個ほどを、 冬の管理が面倒くさいので、 完全に乾燥させてから保湿容器に入れたまま今年5月まで蓋をして、 作業場の棚の上に放置しておきました。 5月近くに水を与え初めて、現在は昨年以上に良く育っています。 これなどは冬の乾燥した生育環境として厳しい室内で育てるよりも、 手間の全く掛からない管理法かと思います。 ただし観葉植物を植えている場合にはこのような保管は出来ませんが・・ いずれにしても苔が好む環境をつくれば、 ほとんど手間を掛けなくても苔は良く育ちますし、 エアコンの効いた室内に置いてはどれほど水を与えても、 室内の空中湿度は低く、 苔が元気に生育するのは難しいかと思われます。 ・・苔玉への苔の使用量について これは苔玉をどのように作るかに寄ります。 ハイゴケをそのまま厚く覆うなら苔玉の表面積とおなじハイゴケが必要になります。 また重ならない程度に薄く広げて覆えばそうとの数のハイゴケを作ることが出来ます。 厚く巻いた苔玉は完成時の完成度が高く鑑賞に適します。 薄く巻いた苔玉はある程度密生するのに時間は掛かりますが、 均等な美しい葉が育ち、一年後の美しさはこちらが勝ります。