Q 2009.12月にホソバオキナゴケを購入しました。 栽培条件 ・場所:ベランダで午前中のみ日があたり、午後は日陰 ・用土:ケト土+樹皮培養土+富士砂 ・水やり:じょうろで毎日 1.小さい蛾の幼虫と思われる1cmくらいの虫に、苔が食い荒らされてしまいました。   虫の通ったあとに白いカビ状のあとが残ります。   殺菌殺虫剤を散布しましたが、まだ潜んでいるような感じがしますので、   冷凍庫で凍らせて虫を殺そうと考えていますが、苔にダメージがありますか。 2.6月頃までは不織布のおかげで良好に育っていたのですが、   この夏の暑さで蒸れて腐ってしまったようです。   用土の水はけはあまり良くないので、   水のやり過ぎか用土に問題があるのでしょうか。 -------------------------------------------------------------------------------------------- A  用土について ケト土、樹皮培養土、富士砂の3種類をうまく混和させるのは難しいのではないでしょうか。 ホソバは桧の根元の樹皮に自生するもので、用土は樹皮培養土単体でも問題はありません。 ケト土は苔玉や盆景などで使われますが山苔の用土としての利点はないとおもいます。 また盆栽の下草としても良く育ちますから、盆栽と同じように鉢そこに大粒の赤玉や鹿沼土を入れ、栄養分の少ない土を使って植えても良いかと思います。 苔の間を1センチくらいあけて、苔目土を入れるのがポイントです 水やり 木の根元は少々の雨では濡れることはなく、表土そのものは案外と乾燥している場所です。 森全体に安定した空中湿度があるので時間を掛けてゆっくりと成長していきます。 理想的なのは日陰で風通しが良く空中湿度が安定しているところです。 ベランダはそれぞれにかなり環境が違いますから、一概に良い悪いはいえませんが 風通しを阻害しない程度に午前中の陽射しを遮った方が良いかと思います。 著しく乾燥するなどで毎日の水やりが必要であれば、ケト土や樹皮培養土よりも水はけの良い用土にします。水やりは夕方涼しくなってからたっぷりと与えれば充分です。 虫の発生や蒸れは温度や湿度、風通しの問題かと思います。 特にベランダのように緑の貴重な場所ではいろいろな虫に狙われる危険は高いと思います。 山苔の場合、蒸れて変色してしまったと思っても、涼しい日陰でそのまま置いておくと多くの場合回復します。苔の中では育てやすく、涼しい日陰で乾燥気味にすれば良く育ちます。 ------------------------------------------------------------------------ Q 回答ありがとうございます。 用土ですが、樹皮培養土、赤玉いずれも山苔との密着が無く、 用土の上に山苔が置いてあるだけになり、問題があるものと考えていました。 極論を言えば用土なしも有りと言うことでしょうか。 --------------------------------------------------------------------------- A  安定した空中湿度があれば用土は無くてもある程度維持することができます。 圃場で1〜2ヶ月程度の保管はパレットにそのまま並べて 風通しの良い林の中に置いています。 しかし用土は変化する湿度や環境の影響を緩和する効果が大きくなります。 たとえばパレットの上に並べた苔は陽が当たればすぐに乾燥し、 水をやれば乾燥したコケの葉が瞬時に開いて青くなります。 これは安定した環境とはいえず 生育せず徐々に劣化していくと思います。 また圃場のパレットに並べただけの苔も 2ヶ月が限度で6ヶ月など長期になると 密度が粗く軟弱な苔になり、商品価値が無くなります。 用土から排出される水分が苔に安定した湿度を供給します。 先にも述べましたが山苔の理想的な生育環境は 日陰で風通しが良く乾燥気味でありながら長期にわたり環境が安定していることです。 盆栽の下草の苔が良く育つのは 水はけがよいから毎日水やりしても問題はなく、 しかも同じ場所で毎日の水やりと言う安定した環境に苔が適応しているためで、 場所を変えたり条件が変われば下草の苔も或いは一時的に悪くなることもあります。