質問があるのですが、スギ苔が伸びすぎてしまい、 倒れてしまっていて、下から新芽も出てきません。 こういう場合全面的に長い所を刈り取っってしまた方がいいのでしょうか。 又、刈り取る場合は茶色い所から刈り取るものなのでしょうか。 ----------------------------------------------------------------------------------------------------------- スギゴケに限らず苔はその先端の葉が伸びて成長していきます。 ほふく性の苔は横に広がり、直立系の苔はその生育に限界がありますが、 スギゴケは10cm、20cmと伸びていきます。 この成長とは別にスギゴケは表土からも新芽を伸ばし 生育の密度があがり、大きな群落に生育していきます。 スギゴケの管理ポイントは徒長抑制にあります。 スギゴケが長く伸びると、 表土が蒸れを起こし、また充分な日照も届かないため 新芽の生育を阻害します。 また密度無く、長く生育した杉苔は2〜4年ほどで倒れてしまい そのまま放置するとますます新芽が育たなくなります。 徒長抑制で刈り込みは方法の一つです。 刈り込む場合、茶色い部分からの新芽はほとんど出ませんから 茶色い部分を中途半端に残すメリットは何もありません。 しかし、表土からの新芽が伸びていないのは 発芽できる地力が無いのではないでしょうか。 この場合、全面を刈り取っても新しい芽が出ないことは充分に考えられます。 また地力があったとしても、現在11月中旬以降では関東以南であっても旺盛な発芽はしません。 露出した表土が冬の乾燥や霜柱などでいであがると 春以降の発芽にも支障が出てくるかもしれません。 刈り込みの時期は春雨や梅雨、秋雨の時期が理想で 安定した湿度と気温が維持できる時期の作業をお勧めします。 表土の地力が期待できない場合、 全面刈り込みではなく間引き的な刈り込みか手抜きが良いかもしれません。 ある程度間引きして、表土への通気性と日照が届くようにします。 表土は乾燥しやすいので通常より散水は多めに行います。 ただし、移植時に表土を単体用土や庭土を利用したりばあい その表土が硬く締まっているようでは発芽は期待できません。 排水性を良くし、用土が硬く締まらないよう用土造りをします。 スギゴケはそのマットを表土にのせて踏み固める程度では不十分で できれば表土とスギゴケの土が完全に密着させるか あるいはスギゴケごと混和したほうがその後の生育は良くなります。 長く伸びたスギゴケを引っ張ってみて もし土ごと持ち上がる場合 表土から発芽しない原因は 徒長した苔が通気性や日照を悪くしているだけではなく 苔マットが完全に密着していないための 植え付け時の問題になります。 この場合は、現在の苔を土を付けて薄く剥がし、 土壌の改良を充分に行なったうえで 剥がしたコケを土ごと崩して張りつけていきます。 苔目土は必要な作業です。