問い合わせ 5月30日 添付した写真のように、スギゴケが見事に抜け落ちたようになってしまいました。 場所は群馬県の嬬恋村で標高1200mの山荘の庭です。 周囲は自然にスギゴケ、ハイゴケ、そのほかのコケが生えています。・ 環境は湿度も高く、適度に日照があり苔に適していると思います。 ノネズミかうさぎの仕業ではと近所の人たちは言っていますが。 この抜けたところにコケを張ろうと考えお願いしました。 写真を見た様子では何が原因でしょうか、ご教示願います。 また、ここに埋めるように張っても問題ないでしょうか。 ---------------------------------------------------------------- さて、添付のスギゴケ画像ですが 苔の生育不要の原因は多々あり 写真から特定することは困難ですが 良くある原因として一般的に考えられる事をいくつかあげてみます。 全体に色が悪いのであれば その年の気候や降雨量、寒さなど 環境的な原因と考えられます。 画像のような部分的な場合は その部分で何か別の原因があると思います。 まずコケ丈が長いので倒れて蒸れを起こした。 或いは陽が当たるので丈が伸びたところが特に蒸れを起こしやすい。 ここの苔が表土と充分に密着していなかった。 乾燥と蒸れを繰り返す。 薬剤散布の際にこの部分に掛かり 薬害が出た。 あるいは植物の肥料など栄養分のあるものがかかった。 猫や犬がこの場所でおしっこをしていく。 病気(菌による)が発生した。 去年は全国的に発生したようですが 多くの場合は回復します。 しかし写真のように苔の丈が伸びていると 蒸れが起きて回復できないと言うこともあるかもしれません。 いずれの原因にしても さらにこの部分の丈が長いため 回復ができない、或いは蒸れを起こしやすい。 あるいは新しい芽が地面から発生しにくいなど 苔が弱くなっている事もあると思います。 画像からはこの場所の環境がスギゴケの生育には良いようですが これはスギゴケにとってはやさしすぎる環境ともいえます。 このため少し軟弱に育っているところに ちょっとした原因でストレスが掛かると 回復できなくなるということもあります。 枯れる原因が分かればそれを取り除いてやるべきですが 対策としてもう一つは 苔を強く育て事も必要です。 安定した環境で苔を育てると 杉苔はどんどん生育します。 徒長を抑制するには 少しずつ様子を見ながら刈り込む。 あるいは間引きして下からの新芽を育てるようにする。 草取りの時に踏み付けるのも徒長を抑制します。 歩き回るのは問題外ですが 葉が湿っているときに適度に踏み付けてやります。 修復について まず枯れた部分の土壌は小さなスコップで少し取り除いてやります。 庭土に川砂やバーミキュライトを混ぜて水はけをよくします。 排水性が悪いと蒸れの原因になりますし 土が締まるようでは新芽は伸びません。 この上に杉苔を張ります。 杉苔はその見た目よりも、丈の短めなもので茎が太いものを植えます。 周りの長く伸びたスギゴケは そのままでは倒れて蒸れを起こすかもしれませんので 少しきれいに整えてやります。 はり付けた部分には目土をしてたっぷりと水をやります。 そのほかの生育不良の原因 ・油粕などの栄養分が雨に流されてきて根ぐされ ・猫などの動物の糞尿 ・散水時の水質の変化 ・軟弱な生育のため、環境の変化に対応できなかった ・除草剤が飛散した ・消毒剤が飛散した ・銅屋根から雨のしぶきが飛散した ・表土の排水性が悪い ・表土の保水性が悪い ・土壌改良材等により土壌のPhが変化した ・車のは移出ガスなどが常時流れ込むようになった ・垣根などの風を遮るものがなくなった ・空中湿度が維持できなくなった ・環境の変化で朝露、夜露が降りない ・雨水がコケの上を流れる ・コケの上を踏みつける ・表土が締まって硬くなってきた ・高い建物ができた ・生育を続けるコケにかかわらず徒長抑制をしてこなかった ・ゼニゴケなど強いコケが育ってきた ・丈の短い雑草がはびこってきた ・街が急激に都市化され、気温が上昇し湿度が低下した ・害虫 ・病気 ・カビ等 ・樹木が生育してコケを覆うようになった ・近くで石灰を蒔いて土壌改良をおこなった ・近くで石灰窒素による土壌改良を行った ・降雨の酸性化 ・屋根やひさしの下で夜露朝露があたらない ・都市部で朝露がこけにあたらない 急ぎご返事まで