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室内と屋外の散水
室内と庭などの屋外では苔の生育環境は全く異なります。このため水やりの時間からその与え方、季節での管理の仕方も異なります。ここでは屋外での水やりと、室内でのい水やりに分けて説明します。
モスプランの圃場での散水風景 ・・−→
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屋外での水やり |
季節、地域、散水時間と散水量
屋外では季節や地域により温度や湿度が大きく違います。またコケが湿潤や乾燥のどちらを好むのや土壌の保水力、排水性によっても散水量は違います。そしてこの散水作業を何時におこなえばよいのでしょうか。 |
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散水の時間 |
日陰性はいつでも、好日性は早朝か夕方たっぷりと |
好日性と言われるスナゴケやスギゴケは陽の当たるような場所に植えられることが多いと思います。このような陽当たりの良い場所で、特に夏の水やりはもっとも注意が必要です。
普通の植物で好日性というと、ひまわりのように炎天下で元気に育つことを意味しますが、苔植物にとっての好日性とは夏の強烈な太陽にさらされたとき、蒸れや焼けを起こさないよう短時間で水分を放出する能力があり、強い日照でも焼けない丈夫な葉を持っている苔です。つまり本来生育には適さない厳しい炎天下で何とか耐えることができるコケで、スナゴケですら実は半日陰を嗜好し、湿潤な方が良く育ちます。
つまり炎天下では蒸れを起こさないために自ら水分を放出して仮死状態にあります。乾燥したコケを見ると心配になり、つい水を与えてしまいます。このときに夏の陽が当たると、地表は40度以上の温度になるのかと思います。
なぜ早朝か夕方にたっぷりと散水し、乾燥し葉を閉じていても日中の水やりをしてはいけないのかがおわかり頂けたと思います。また日陰でも温度が上昇すると蒸れを起こす危険はあると思います。
水やりは夕方たっぷりと与え、早朝は温度が上昇する頃まで水たまりが残るようなことがないよう適量散水して下さい。 |
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季節の散水作業 |
春の散水 |
3月
このころのは地域により気温や降雪など地域差がもっとも大きい時期です。一日の最高気温が10度ぐらいになればコケも旺盛に生育し始めますので、たっぷりと水をやって下さい。寒い地域では地温があがり霜が見られなくなったってからの水やりでも遅くはありません。3月は比較的雨が多く、まだ気温も低いので頻繁な水やりの必要はないかもしれません。
地温が上がり表土が乾燥しているなら散水する程度で良いでしょう。
4月
寒風で傷んだコケが回復を始めます。また回復が始まると土の中からも発芽が始まります。新芽は乾燥に弱いので新芽が見られるようならば特に乾燥には注意します。植え付けたばかりのコケは表土と完全に密着していないため、何回か乾燥させてしまうとも表土に密着しにくくなります。また霜柱で浮き上がったコケのマットも同じように剥離していることがあります。朝夕にはたっぷりと散水をし、必要ならば軽く踏みつけて密着作業も行います。
5月
冬に寒さや寒風で傷んだコケがようやく回復してきます。充分に水やりをして下さい。湿潤なところは同時に雑草の芽も旺盛に伸び始めてきます。除草作業が必要な季節でもあります。
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夏の散水 |
梅雨時
梅雨にはいると屋外では頻繁な水やりは必要がなくなります。天気を見ながら必要に応じて与えてください。
夏の水やり
・日中のみずやりに注意
気温の高い日中水やりをすると、土の中の水が温まって苔を蒸らしてしまいます。苔は陽の当たる場所では葉をとじ、夜露朝露の当たるような涼しい時間に葉を広げて生育をします。日中、乾燥で縮れた苔を見ると、つい水やりをしたくなりますが、蒸れには注意が必要です。早朝か夕方の涼しい時間にたっぷりと水やりをします。育苗箱や鉢植えの苔は直射光の当たらない日陰に置いてください。
・たまり水に注意
水やりのホース内にはたまり水が残っています。夏の炎天下で放置されたホースのたまり水は温水になっています。そのまま水やりを始めると、熱いお湯が苔にかかります。苔はとても小さな植物ですから、影響も大きくなります。夕方のでもたまり水には注意し、水やり前には一度たまり水を抜いてから散水してください。
・たっぷりと水やり
夕方はたっぷりと水やりをします。土の中の空気を入れ換え、日中に熱くなった表土の温度も下げます。水やりのときに表土に水がたまらないよう、水はけの良い土作りをしてください。
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秋の散水 |
涼しくなってくると夏ほど気を使った水やりの必要はなくなります。また雨の多い9月は散水量も少なくなるかもしれません。
日向のコケは猛暑で傷んで、あるいは枯れたように褐色に見えたコケもあるかもしれません。この9月10月は苔が生長する時期で、傷んだコケの回復も期待できます。とくに回復が必要なコケにはたっぷりと散水してください。 |
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冬の散水 |
冬は苔も冬眠のような状態であまり育ちません。基本的には水やりは必要ありません。しかし暖かい地方や東京のような都市部でのさは最低気温も高く、コケは生育します。水をやらないから枯れると言うことはありませんが、気温が0度以下にならないようなところではたまに散水も必要です。 |
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室内での水やり |
室内では季節や外気温はほとんど関係がなく、屋外での散水とはやり方や量が違います。室内によってはエアコンなどの空調で年中同じような環境のところもありますが、空調の有無にかかわらず室内はかなり乾燥しており、苔の生育には厳しい環境といえます。
コケは根からの水分吸収はなく、空中の安定した湿度が必要ですが、室内では空中からの水分補給は期待できません。このためコケへの直接の水やりが必要になりますが、それでも苔玉など小さな作品は室内の乾燥にさらされてしまいます。対策としては腰水に浸して常に湿った状態にしておく。また保湿容器に入れ、空中湿度を安定させるなどの工夫をしてください。 |
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散水量 |
1.水をやりすぎていないか |
園芸に使われるコケは比較的乾燥に強いものが多く、自然の降雨にまかせ、乾燥したら水をやるというのが理想です。また灌水が多すぎるとゼニゴケやカビが発生したり、コケが軟弱になるなど弊害もあります。
散水でできた水たまりがいつまでも残るような土壌では水のやりすぎに注意してください。逆に水はけが良すぎていくら散水してもすぐに表土が乾くところは保水性を良くする必要があります。
理想的なのはいくら散水しても水は溜まらないが、表土は適度に湿っているようなところです。このようなところなら水のやりすぎの心配もありません。 |
2.水やりが少ない |
一通り水をやったつもりでも意外と土の中までは濡れていないことがあります。もちろん水溜まりはコケに良くありませんが、湿潤地を好むコツボゴケやヒノキゴケなどは水のやりすぎはありません。湿潤地を好むコケにはほかのコケよりもたっぷりと与えて下さい。
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適した水は |
1.水道水 |
塩素が含まれているため一昼夜ほど汲み置きすると良いと言われています。しかし東京の水道水を苔玉に与えてみましたが影響はないようです。 |
2.雨水 |
適しています。ただし銅屋根を伝わった雨水は使えません。 |
3.井戸水 |
適しています。(まれに銅や鉄が含まれていることあるので注意を) |
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