多くの苔植物は湿潤であればUの半日陰地で良く育ちます。このため自生地での棲み分けは曖昧で好日性のスギゴケやスナゴケが日陰で自生していることもあります。特性として日陰性、半日陰性、好日性の分類はおおよそ下記のような範囲になります。

日陰性のコケ  =Tの日陰地からUの半日陰地で自生
半日陰性のコケ =Tの日陰地からVの日向地でも自生
好日性のコケ  =Uの半日陰地からVの日向地で自生

樹木の枝の高さで日照が違う
同じ庭でも場所によって日照時間は違います。同じ樹木でも、枝はりの高さによっても陽の当たる場所や日照時間は違ってきます。

 E:枝張りが低いと日陰の部分(B〜C)が広くなります。。日陰性のコケに適しています。注意するのはあまりに枝張りが低いと少量の雨ではほとんど濡れず、また夜露、朝露も当たらないため、土まで乾燥していることが多く、湿潤を好むコケには頻繁に散水が必要となります。

 D:枝張りが高いと陽が当たりやすく、日照時間も長くなります。木の根元でなければ雨も当たります。木の下は多くの苔の生育に良い半日陰地といえます。

樹木の高さで日照が違う
コニファーのように丈が高く枝張りの少ない樹木は根元の日陰部分(A〜B)が狭く、半日陰部分(B〜C)が広くなります。B〜Cの陰は移動するため、長く日陰を維持することはできませんが、一日中陽の当たるような場所のコケにとっては救いの一本です。B〜Cには好日性のスギゴケやスナゴケなどがお勧めです。

丈が低く枝張りのある樹木は日陰部分が広く(A〜B)、半日陰部分(B〜C)が狭くなりますが比較的長く日陰を維持できます。散水設備があればB〜Cに日陰性の苔を植えても育ちます。


直線上に配置
 T = 日陰地
 U = 半日陰地
 V = 日向地