大型のコケの目土の調整
スギゴケやヒノキゴケ、コウヤノマンネングサなど大型のコケの多くは林の中の腐葉土質の場所で見られます。岩や倒木など土のないところでの生育が難しい苔ですから、目土にも基本用土の黒土(畑土など)を多めにします。また軽石は多孔質で保水性と通気性があり軽いため、大型のコケの場合は手入れの目土として使うこともできます。
ほふくするコケの目土の調整
ハイゴケ、シノブゴケ、アオギヌゴケなどほふくしたり横に広がる苔は、土と定着しにくいものが多く、採取するときでも簡単に剥がすことができます。このような苔は移植間もない頃は土への密着が難しく、強い風に飛ばされたり、雨で流されます。このため目土には重石のように苔が移動させず安定するような役目が必要になります。これらの苔は土をあまり必要としませんから基本用土の黒土は少なめにし、重たい川砂と繊維質のピートモスなどを多めに混ぜるようにします。 ハイゴケは横に伸びるため量が多いと苔が隠れてしまいますので薄めに行います。厚く入れすぎると生育を阻害することもあります。分量は苔丈の1/2ぐらい。フルイを使って適度に乾燥した土をまくと簡単です。苔の上に残さず中にはいるように手でならしてやります。何回か水をまくと苔の中に土が入り安定しまする
スナゴケの目土の調整
スナゴケは名の通り砂地を好み、開けた川原や砂のたまった石の間などによく見られます。その場所の土は砂単体ではなく、少し粘りのある土が含まれています。砂だけの土では流動性があり植物にとって安定しないためです。スナゴケの植え付け時の目土調整には、標準目土に川砂を30%程度追加すると良いでしょう。手入れ(管理)の目土入れでは砂砂単体を薄くまいても大丈夫です。
小型のコケの目土の調整
目土は標準目土でとりあえず問題はありません。小型のコケは分量が少なくなります。多すぎてはコケが窒息しますし、軽石のような粒の大きな物も使えません。少ない量を丁寧にまいてやります。
小さなコケは大型、中型のコケに比べて生育する場所をとくに選ぶ傾向があるように思えます。例えば山苔は杉や檜の根元によく見られますし、ギンゴケはブロック塀や道ばたに生育します。杉などの根元は雨が当たらず比較的乾燥しており、陽の当たらない日陰になります。このようなコケには保湿性のある用土は控えた方がよいかもしれません。ブロック塀はアルカリ性でこのような場所好むコケには鹿沼土やピートモスのような酸性土は控えた方がよいかもしれません。しかしいずれも小さなコケですからその目土の分量も少なく、標準目土でも決定的な欠点にはならないでしょう。
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スギゴケに軽石で目土
スギゴケに標準の目土
大型のコケに適しています |