苔園芸用土 カタログ
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根を持たない苔植物は、栄養や水分を用土から吸収しませんから用土を必ずしも必要とはしません。また土を使わなくても工夫次第で育てることもできるかもしれません。 しかし自生している苔の足元には、それぞれの苔に適した土や培地があり、苔によってその土が全く違うこともあります。例えばコウヤノマンネングサは腐葉土たっぷりな場所に地下茎をのばし、ハイゴケは茅葺き屋根の茅や芝生の芝に絡まったり、あるいは岩に定着します。ギンゴケやハマキゴケなどの小型の苔は、雨で流れてしまうよう砂地では育たないかもしれません。それぞれの苔が好む土質というものがあるのかもしれません。 採取した苔がどのような培地で生育していたのかをよく観察してみてください。そしていろいろな用土をブレンドしてその性質に近い培養土をつくります。好む土つくりは苔園芸成功の大きなポイントになります。 ここではブレンドする素材の特徴を簡単に紹介します。 |
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黒土 | 関東地方に分布する火山灰土の表土で黒ボク土ともよばれ、有機物を多く含んでいます。年度分が多いためコケ園芸の単用には適さず、排水性を良くするような素材を混ぜて使用します。良い黒土の選び方は団粒構造のしっかりしたもので、乾燥しているときに手にとって粒の大きいものほど排水性のたかい良い土といえます。 基本となる土です。関東地方ではどの園芸店で普通に売られている土ですが、入手できない場合は畑土(畑や庭の土)を利用して下さい。 |
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赤玉土 | 関東地方の火山灰土で粒状なため排水性があります。粒の大きさによって分けられ売られています。粒の大きなものは鉢底に使えますが、黒土などに混ぜるものは粒が小さく均等な大きさのものが良いでしょう。また微塵(粉)の少ないものを選ぶようにします。 |
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軽石 | 通気性のとても良い多孔質の石です。コケ庭では底に敷き詰めたり、く、また細かなものは土壌改良材として混ぜるコケがよく生育するようになります。これは排水性ばかりでなく適度な保水性によるものかもしれません。 細粒なら飾り砂としても利用できます。 |
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砂 | 川砂、山砂、桐生砂、富士砂、矢作砂などがあります。 川砂は排水性があり保水性はなく、また桐生砂は風化の進んだ火山砂礫で、保水性が良いく、砂と言っても性質は異なりますが、粘質のケト土や黒土に混ぜることで土が軟らかく(固まりにくい)なります。 スナゴケなど排水性を好むコケには多めに使用します。 |
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樹皮培養土 | 杉やヒノキの樹皮を粉砕したもので、農業では水耕栽培用土、土壌改良に多く使われています。細かく粉砕したもので繊維質のしっかりしたものがコケ園芸には向いています。 入手できないときには同じ植物性のミズゴケ、または繊維質の長い北海道産のピートモスを利用します。 しかし、ミズゴケ、ピートモスはいずれも酸性が強いため単用での利用に適していませんが、樹皮培養土は植物性改良用土としては極めて腐りにくく(ピートモスも分解は早くないが樹皮培養土はさらに腐りにくい)、pHも6程度で長期的にも安定しているため、コケ園芸では万能改良土といえます。たとえば苔玉でミズゴケ単用での使用は適しませんが、樹皮培養土なら単用での利用もコケは元気に生育するjことができます。 |
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樹皮堆肥 | 杉やヒノキの樹皮を粉砕しこれを発酵させたもの。製品によってはピートモスを加えてさらに酸度調整したものもあります。これらはコケ庭での土壌改良に利用できますが、苔玉や盆景、鉢盆栽には適していません。 |
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みずごけ | ミズゴケは保水力が高く、観葉植物の用土や挿し木、苗の培養土として園芸店で売られており入手しやすい素材です。繊維が長くて、太くて丈夫なものが良いでしょう。 コケ園芸では安定した湿度をコケに与えるため、苔玉の素材としても使用されますが、酸性が強い単用には向きません(ランや挿し木では単用が一般的ですが)。 樹皮培養土の代用 |
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ピートモス | ミズゴケが腐植して泥炭化したもので保水力、排水性に優れています。 分解が早くないので用土として適していますが、酸度が強いこと(酸度調整したものも売られています)と一度乾燥するとなかなか水を吸収しにくいという欠点があります。 コケ園芸では黒土、砂にピートモスを混ぜると良質の目土になります。コケの種類によってそれぞれの用土の分量を変えます。スギゴケ、ヒノキゴケなどは黒土を多めにし、排水を必要とするものは砂を多めに、また樹皮に定着するコケはピートモスまたは樹皮培養土を多めに混ぜるようにします。 |
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腐葉土 | 落ち葉が適度に腐植したもので単用されることはなく、他の土と混合することで良質の培養土を作ります。コケ園芸ではコケ庭の土壌改良として使用しますが、市販されているものの中には葉の形がはっきりと残ったものも売られていますが、植物体として小さなコケに腐植の未熟なものを使用すると、かえってコケの生育を阻害する場合もあります。腐熟したものが良いでしょう。 腐植土に群生を作るヒノキゴケやコウヤノマンネングサなどには多めに使用します。 |
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ゼオライト | 多孔質の石で、保水性にすぐれ、粒状のものはけと土に混合すると通気性が良くなります。コケ庭の土壌改良材。 |
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パーライト | 真珠岩を加工して多孔質にしたものでコケ庭の土壌改良向け。肥料分を保持することはできませんが、コケ園芸では肥料分を必要としないため問題はありません。通気性を良くして、土を軽くします。 |
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バーミキュウライト | 蛭(ヒル)石を加工したもので、層状に薄い板が集まったところに肥料分や水分を保持することができるため、コケ庭の他の植物にはパーライトよりも適しているかもしれません。 |
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