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アラハシラガゴケ 山苔


生態分類 シラガゴケ科 シラガゴケ属 アラハシラガゴケ
学名 Leucobryum bowringii Mitt.
園芸名称、別名等 アラハシラガゴケ 粗葉白髪苔(あらはしらがごけ)
山苔(やまごけ)
マンジュウゴケ(饅頭苔)
シラガゴケ(白髪苔)
アラハオキナゴケ(粗葉翁苔)
分布 北海道〜沖縄、台湾から東南アジア

■利用形態・用途 平面  庭園材、苔盆栽、盆景、テラリウム、苔玉、装飾素材
■カバーの様式 1〜10cmの直立 生育密度は密生
■植付数量 20POT〜40POT/u
  はりゴケ法 1.0u/u  40POT/u
  まきゴケ法 0.5u/u  20POT/u
  移植法 0.8u/u  32POT/u
■被覆速度 普通
■繁殖方法 移植 まきゴケ はりゴケ(装飾)
■鑑賞 被覆面 グランドカバー 葉色  
■植栽可能地域 日本全土
■生育条件
■耐性
  日照(紫外線) 弱い
  積雪   普通
  乾寒風   普通
  暑さ   弱い
  潮風   弱い
■鑑賞姿高 2〜5cm 
■生育環境 湿度の安定した日陰地の杉の根元、腐木上に自生する。
山の急な斜面の木の根元に厚いマットを作る(上の写真)。
■形態的特徴 葉は絹のような光沢があり密で10mm前後。湿ると緑が濃く、乾燥すると白みを増す。ここからシラガゴケの名が付く。葉先は細く屈曲する。胞子体はまれ。
■その他
参考書籍等 原色日本蘚苔類図鑑 保育社
日本の野生植物・コケ 平凡社

日本各地に分布。園芸ではホソバオキナゴケとともに山苔と呼ばれ、土壌改良材用土として粉砕、乾燥して販売されている。盆栽などの下草にはホソバオキナゴケが使われていた。近年入手が難しくなり、その代用として扱われるようにり、山苔というとアラハシラガゴケを意味する事が多い。山苔はホソバオキナゴケ、アラハシラガゴケと分類して扱われている。シラガゴケではこの2種の他にほかオオシラガゴケがあるが、葉が大きくアクアテラリウムに使われる程度。

杉の根元の樹皮に良くマットを作る。木の根元は日陰地で雨が直接当たらない、比較的乾燥した環境。このため林の中のように安定した空中湿度を維持し、表土はあまり湿潤にしない。乾燥地での生育はきわめて遅いが硬く密生する。湿潤地での生育は早いが、生育密度は疎となる。

4月から10月頃までは半日陰、夏は暗め。繁殖はまきゴケで容易。
まきゴケでの被覆速度は早いが、丈の生育は遅い。10年以上の年月をかければ10cm以上のマットを形成する。
移植法では小さな塊が半球状に生育し、これが横に広がりながら大きなマットを形成する。
日照に注意すれば育てやすく苔園芸入門に適している。
植え付け当初は充分に水を与え、密生を始めたら水やりは控えるようにする。
日陰地でも夏の暑さに弱く、部分的に褐色化することがあるが、多くは回復する。
耐寒性に優れている。

 ・アラハシラガゴケの露地植え
移植法が普通。小さく分けた苔を1〜2cm程度の間をあけて並べるように植えていく。小さな塊は半球状に生育し、やがて大きな群生に生育する。
隙間なく植えるはりゴケ法は横への生育ができず生育を阻害する。また山苔は水を蓄えやすいため、はりゴケ法では植え付けてまもなく気温が上昇すると蒸れを起こしやすい。ディスプレーや展示用の装飾ではりゴケ法は適しているが、苔は乾燥したまま使い、水やりは不要。

 ・アラハシラガゴケの鉢植え
水はけを良くする。杉や桧を粉砕した樹皮培養土を薄く敷いて(或いは単体でも可)移植法、あるいははりゴケ法で植える。苔に厚みのあるものは裏の褐色部分をハサミで切り取り、薄くした苔を植えることで蒸れを防ぐことができる。
プランターや植木鉢では、まきゴケ法で殖やしやすい。樹皮培養土敷いて粉砕した山苔をまき、薄く目土を被せる。

管理
苔としては扱いやすく殖やすのも容易。但し短期間に枯れたように変色を起こすこともあるが、置く場所を変えたり、水のやりすぎに注意して管理すれば多くの場合は3〜6ヶ月で回復する。
標準的な苔の用土、苔目土でよい。
植え付け当初の水やりは定期的におこない、徐々に控えていく。頻繁な水のやりすぎは丈が伸びて生育密度も疎となり軟弱になるため、半日陰地において自然の降雨で育つようにしする。

葉先は尖り、方向は不揃い
葉先が少し縮れて方向性がないのがアラハシラガゴケの特徴
ホソバオキナゴケは揃う
はじめに半球状の塊を作る
やがてマットを広げていく
画像クリック

厚いコロニーをほぐしたもの。
厚みの大部分は下に褐色化している。
褐色部分は取り除いた方が植え付け後の生育はよい。

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