山苔のはりゴケ
山苔とはアラハシラガゴケ、ホゾバオキナゴケ、オオシラガゴケなどシラガゴケの仲間で、日陰で乾燥気味な場所を好みます。小さな半球状の塊をつくり、これがつながって大きなマットを形成することもありますが、生育が遅いため厚みのあるマットに育つのに相当の年数がかかります。。はりゴケ用の大きなマットを採取するのは困難ですが、手入れされた杉林には小さな半球状のものを見つけることができます。(右画像は杉林の中で採取したアラハ、ホソバ。半球状の形からマンジュウゴケの俗称もあります)はりゴケではこの半球状の小さな塊を隙間なく敷き詰めてマット状になるように植え付けます。
植え付け場所は日陰、もしくは半日陰で、直射日光が当たる場所は避けます。標準的な培養土でも良いのですが、杉の根元の樹皮によく育つコケなので、樹皮培養土(杉檜の樹皮を粉砕したもの)があれば混ぜます。また樹皮培養土だけを用土にしても良く育ちます。表土を平らにならし、苔を埋め込むような気持ちで土に押しつけます。小さなヘラで苔の縁を埋め込むように固定するのも有効です。苔と苔の間は1センチぐらい開けます。隙間は半球状の苔が大きくなるとき、生育できるスペースになります。半球状の山苔は上にはあまり伸びず(上に伸びる=厚みが出る)、塊は広がるようサイズを大きくしていきます。上への徒長はとても遅く、横への広がりはそれよりは早いわけで、植え付けたときすでに生育できるスペースがないと、過密な状態となり、蒸れを起こして短期間で色が茶色に変化することもあります。
また大きな塊の苔は5cmぐらいの大きさに割って植え付けるようにします。厚みや大きな山苔マットはスポンジと同じで水をたくさん蓄えてしまいます。水を蓄えすぎて中が過湿になった苔は、ちょっと気温が上昇しただけでも蒸れを起こす危険があり、小さな蒸れが起きるとマットの中心から変色が広がってきます。小さく割ることで過湿を防ぐとともに、蒸れがおきても小さな塊だけで防ぐことができます。
目土(標準の目土)をいれます。目土はコケの上にかけるのではなく、苔と苔の隙間を埋めるように入れます。小さな苔のため上から掛けてしまうと、少ない量でも蒸れを起こします。注意してください。
シラガゴケの仲間は杉や檜の根元のような日陰で雨の当たらない乾燥したところを好みます。植え付け当初は多めに水をやりますが、苔が固定し、成長も見られるようになったら徐々に少なめにし、ある程度の乾燥でも耐えて育つように心がけてください。 |
杉の根元に自生
めずらしい1mの大きなマット
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コロニーの間に隙間を空けて植える |