HPのトップへ戻る
苔図鑑
苔の通販
通販商品の一覧
苔園芸 植付と管理
苔のクローズアップ
苔散策・街散歩
道ばたの苔
庭園の苔
モスプラン圃場の植物
通販からのお知らせ


特講・移植法

■発行番号0010 ■発行日2012.02.12


山苔アラハの植え付け

■「移植法」は適当な大きさに小分けした苔を用土に植付けていくもので、植え付け面積よりは少ない苔で施工できます。大型の苔(ヒノキゴケ)や地下茎で殖える苔(コウヤノマンネングサなど)に適しています。
このほかに「まきゴケ法」や「はりゴケ法」があります。いずれの方法も植え付け後には苔目土を施し、湿度が安定するよう乾燥に注意します。また雨や風、散水などでコケが剥がれたり動いたりしないようにします。苔は環境の変化に弱く、移植後に色が悪くなることもよくありますが枯れたわけではありません。明るい半日陰地で安定した湿度を保てればやがて回復し、新芽も伸ばします。


移植の手順
 ・ 大型のコケ(スギゴケ・ヒノキゴケ・コウヤノマンネングサ、カサゴケなど)の場合・・・・・適当な大きさに株分けし、土に差し込むように深く植え付けます。深く植えて表土からの露出を少なくします。コウヤノマンネンやカサゴケなど地下茎で殖える苔はピンセットで一本ずつ植えます。目土は苔の頭が出る程度に施します。

ヒノキゴケやコウヤは植え付け後に褐色化することがあります。大型で湿潤性の苔は乾燥に弱いためですが、褐色になるのは枯れたわけではなく、環境の変化や夏、冬の季節によくみられます。回復に時間はかかりますが、水やりを続けることで新しい芽も伸びてきます。

 ・ 小型のコケの場合・・・・小型のコケはマット状のものを、適当な大きさに割って埋め込むように押しつけます。横に広がるよう成長させるために、苔と苔の間を少し空けてやり、ここに薄く目土を入れます。


スギゴケをポットに植えます。

移植法の短所と長所

苔には根が無いため、土の上にのせただけでは定着しません。移植法では土にしっかり埋め込むため、確実に定着させることができます。また「まきゴケ」は植え付けから発芽、ある程度密生するまで時間と手間が掛かりますが、移植法はすでに育った苔の管理なので、水やりくらいで育てられます。
 短所は植え付けに手間が掛かること。一株一株を植え付けていくため、庭など広い場所での植え付けには手間が掛かります。

移植法のポイント
@土壌改良
苔は表土や岩上、樹皮などの表面に定着し、空中の湿度を吸収して育ちます。本来は土に深く植え込む必要はないわけで、粘りのあるような土からは芽を出すこともできなくなります。とくに大型の苔ほど深く植えるため、軽く通気性の良い土が必要です。

A親株の色が悪くなる
大型の苔は安定した環境下で長い時間を掛けて大きくなります。このため新しい環境へ適応力に貧しく、植え替えてまもなくすると色が悪くなることがあります。大きな苔のため、色が回復するだけでもかなりの時間が掛かり、栽培をあきらめてしまう方も多いようです。しかし枯れたわけではありません。多くの場合は新芽が育ち始めています。

ヒノキゴケにつぶ軽石単体を使用