肥料
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■苔も植物なので肥料が必要と思われますが、市販されているような肥料はまったく必要ありません。土から水分や栄養を吸収するような根を持たない苔植物には、かえって肥沃な土は害があり、時に枯れることもあります。炭に含まれるミネラルやHB-101が苔の生育によいともいわれています。実際に散布試験をしてみました。
肥料は不要か |
コケは体のつくりがとても簡単にできています。仮根はあるものの、養分や水分を吸収できるような根がありません。仮根は細長い細胞で、これは体を支える程度の役目しかありません。コケはたくさんの葉緑体で朝夕のわずかな光や空中の湿度、炭酸ガスで養分をつくって(光合成)育ちます。火山灰荒廃地や砂礫地のようなところに最初に育つのがコケ植物です。栄養が少なく乾いた表土はどんな植物にも厳しい環境ですが、乾燥に強いスナゴケやススキゴケなどが育っています。苔は肥料を必要としない植物です。
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油かすを撒く |
圃場での栽培試験で少量の油かすを蒔いて観察しました。油かすは比較的緩行性でやさしい肥料ですから、苔が完全に枯れることはありませんでしたが、それでも葉は赤く変色しました。また雨で油かすが流され、広く変色をおこしてしまいました。少量でも直接肥料に触れると害が出るようです。このほかにも化成肥料や石灰、石灰窒素などいろいろな肥料で試してみましたが、害こそあれ散布するメリットは何もありませんでした。 |
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肥料以外の栄養 |
肥料のチッソ、リンサン、カリ、マグネシウムなどは強すぎてコケの生育を阻害しますが、備長炭に含まれる微量で長期間溶出するミネラル(リン、カルシウム、マグネシウムなど)はコケの生育に良いと言われています。少なくとも肥料を与えたときの根腐れのような害はないので、試してみることにしました。試したのは備長炭、オーキッドベース、HB-101です。
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HB-101 納品先から勧められた商品で、生育の衰えたスギゴケに散布したところコケの葉色がとても良くなったので試してみるようにとの厳命を受け、生産圃場で散布試験をしてみました。散布の有無を比較するため紐で区分けをしての試験です。 |
水溶性肥料