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スギゴケのはりゴケ


                      モスプランのスギゴケ圃場

■スギゴケ植え付けのポイント
  多くの苔は表土や樹木、岩上から剥がれやすく、土は付かないのですが、スギゴケマットには土が付いてきます。土のないコケの植え付けは、表土に並べて目土を被せ、軽く踏み付けるだけで作業は完了しますが、土付のスギゴケを同じように植え付けても表土に密着せず、表土から苔が浮いたような状態になります。乾燥を繰り返すと土は固く締まります。地面に密着していない苔は乾燥しやすく、固く締まった土からは新芽も育たなくなります。スギゴケ植え付けのコツは、苔マットを表土に完全に密着させることです。

■はりゴケの準備 

スギゴケは最低気温が10度以上あればよく育ちます。植え付けは、暖かい地方ならば3月上旬ぐらいから、寒い地方は3月下旬ぐらいから準備を始めます。パレットや育苗箱などを温室で管理できるのであれば、冬でも問題ありません。庭の表土は充分に耕し、雑草の根などは取り除いておきます。通気性の良い土を作るために土壌改良材に軽石砂(5〜10mm程度)、川砂、バーミキュライト、鹿沼土などを混和します。雑草の種が混じっているようならば発芽させてから耕します。何回か繰り返すと雑草も無くなります。

■スギゴケの選び方

生育環境により葉の大きさや色に大きな差違が出てきます。どうしても日陰の穏やかな場所で育ったスギゴケは葉の緑が濃く、茎は細くなります。できれば明るい緑色で茎の太いもの。成長が早いので、丈の短いものを選びます。細く弱そうな苔がきれいに生え揃っているものは、温室や日陰地で短期間に育った場合があります。スギゴケはその土から新しい芽を出すので、すでに伸びている苔が生え揃っているよりも、まばらであっても小さな新芽が出ているような、地力のある苔を選ぶようにします。地力がある土ならば、長く伸びた苔を完全に刈りとっても、翌年にはきれいに生え揃います。

はりゴケ作業

乾燥したスギゴケは、はりゴケ作業で苔が折れてしまうので、作業前に軽く水を撒いて葉を広げておきます。はりゴケのポイントはスギゴケマットを表土にを完全に密着させること。コテを使うときは、苔マットの土を表土に埋め込むように、少しずつ崩していきます。ゴムハンマーを使うときは、マットの土を少しずつ崩すように丁寧にたたき、苔を引っ張っても持ち上がらないようにします。完全に密着させるには1uあたり20分ぐらいの作業になります。

ポイント・・・・植え付けて一年目は苔マットに地力があり青々としていますが、2年目になると土から新芽も伸びず衰えていくことがよくあります。密着の不十分な杉苔は表土から浮いた状態ですぐに乾燥します。乾燥すると水やりが頻繁となり、苔は徒長が抑制されず軟弱に大きくなります。伸びすぎた苔の根元は蒸れやすく、充分な光も届きません。土の排水が悪いと、その土も硬く締まってきます。乾燥、蒸れ、日照不足、通気性の悪い土では新芽は育ちません。新芽を育てるポイントは @通気性が良く軽い土作り A苔を表土に完全に密着させる B徒長抑制(水をやりすぎない、踏み付け、適当な刈り込みなど)

■ 苔目土をふるい散水 

    密着作業が終わったら最後に苔目土をかけます。苔目土の作り方については特講・苔目土をご覧ください。大型の苔は目土に軽石(5mm程度)を混ぜても良く育ちます。目土をならしてからたっぷりと散水します。ホースでの散水は乱暴です。最初はジョウロで丁寧な水やりを心がけます。

■ 管 理
                       目土・・・・は表土の乾燥と強い陽射しを防ぎ、発芽を促します。施工後も必要に応じて目土してください。左の画像はつぶ軽石を目土にしたもの。大型のスギゴケは大粒の軽石でも充分に育ちます。右の画像は冬の寒冷紗掛け。寒風対策です。
   散水・・・・早朝と夕方にたっぷりと与えます。蒸れを起こすので陽の射す場所の日中の水やりは厳禁です。
   除草・・・・雑草の芽が小さいときにこまめに取り除いてください。作業時はゴム草履のような底の平らな履き物が適しています。乾燥した苔は折れやすいので、作業前には軽く水やりをします。適度な踏みつけは、コケの徒長を抑制し、発芽も促しますので作業時の踏みつけはあまり気にしないで下さい。雑草の芽が一斉に発生した場合は除草剤(プリグロックスL)を使います。コケに薬害が出ますので曇った日に通常より薄めて(150倍程度)使い、コケには集中的に掛からないようにします。
越冬・・・・雪や寒さには強いのですが、乾燥した寒風で赤く変色を起こします。地域によっては寒冷紗が効果的です。霜柱でもちあがったスギゴケは、春に踏み付けをおこない密着させてます。