タチゴケの植付け
モスプラン鬼怒川農園のタチゴケ
■タチゴケ植え付けのポイント
スギゴケの仲間なのでスギゴケマットと同じく土付のマットになります。スギゴケと比べると仮根の張りが弱く、またスギゴケのように栽培時に鎮圧しないため、苔の土は崩れやすいくなります。このため張りゴケではスギゴケのようにしっかりと表土に密着させる必要は無く、表土に並べて足で踏み付ける程度で充分です。またまきゴケでも良く育ちます。苔とその土は手で簡単にほぐせるので、まきゴケはこれをたねゴケにします。
■タチゴケの選び方 |
生育環境により葉の大きさや色に大きな差違が出てきます。日陰の湿潤地で育った苔は緑が濃く、葉も大きく、生育密度も疎になります。しかしタチゴケは環境への適応力があるので、このような軟弱なたねゴケでも、植え付ければだいたいは良く育ってくれます。張りゴケのたねゴケには生育密度は少々疎でも、丈の短いしっかりした苔が適しています。 まきゴケのたねならば丈が長くボリュームのあるたねゴケのほうが発芽数も多くなります。 |
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はりゴケでの植え付け作業 |
はりゴケのメリットは植え付により施工が完了すること。そのまま苔庭として鑑賞することができます。 まず表土を充分に耕します。タチゴケのマットを表土に敷き詰めてから平らにならすように軽く踏み付けます。マットの土は崩れやすいので、軽く踏み付ける程度でも充分です。ポットのたねゴケも同じです。ポットをひっくり返して土を崩さないように手のひらにのせます。これを表土に並べ、軽く踏み付けてやります。凹凸がなくなるよう軽く踏み付けながら全体を均し、最後に薄く目土を入れます。 |
目土について・・・・基本目土(特講目土を参照)か、或いはこれに黒土を少し多めに混ぜてやります。これを踏み付けて均したタチゴケに播きます。スギゴケと比べて丈が短いので、目土の量はスギゴケと比べると少なくなります。目土は薄めく均等になるように撒きます。左の画像はスギゴケですが、タチゴケも同じで、その頭が隠れない程度にしてください。 |
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■ まきゴケ作業 |
まきゴケのメリットは苔を殖やせること。少ない苔をたねゴケにしてプランターや挿し芽箱などで殖やすことができます。デメリットは発芽から適度に密生するまで、水やりなどで丁寧な管理が必要なことです。露地に直接撒くと、強い雨でたね苔を流してしまったり、表土を乾燥させるなど、なかなか新芽が育たないこともあります。できればプランターに植えて、丁寧に管理した方が良く育ちます。 まずたねゴケを用意します。タチゴケの群落が庭にあれば、この青い部分を刈り取り、これをたねゴケにします。或いはタチゴケマットやタチゴケポットを、その土ごと崩してたねゴケにします。次にプランターか挿し芽箱を用意します。庭土、或いは黒土に川砂を混ぜて用土とし、プランターに鉢底石を入れてからその用土を入れます。用土は3〜4cmで充分で、プランターの半分ぐらいまで入れます。表土をならして、ここにたねゴケを撒きます。たねゴケは用土が隠れる程度で充分です。最後に軽く目土を入れます。 |
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■ 管 理 |
目土・・・・は表土の乾燥と強い陽射しを防ぎ、発芽を促します。はりゴケ、まきゴケいずれの施工でも必要に応じて目土してください。 散水・・・・早朝と夕方にたっぷりと与えます。蒸れを起こすので陽の射す場所の日中の水やりは厳禁です。
除草・・・・雑草の芽が小さいときにこまめに取り除いてください。タチゴケはスギゴケと比べて踏みつけにそれほど強くはないので、できるだけ踏まないようにします。除草作業でどうしても踏み付けるときは、ゴム草履のような底の平らな履き物を履くようにして下さい。
越冬・・・・雪や寒さには強い苔なので、別段越冬対策の必要はありません。霜柱でもちあがったタチゴケは、春に踏み付けをおこない均しておきます。 |
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