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タチゴケ解説

■発行番号0042 ■発行日2013.04.26

                   林の中に自生しているタチゴケ

タチゴケとは
■タチゴケの基礎
     スギゴケの仲間で生え揃うと生育密度があり大きな群落を作ります。人家の周りや庭の木陰に普通に見られますが、生産者は少なく、まとまった量の入手は少し難しい苔です。タチゴケもスギゴケとして扱う地域もあります。
 スギゴケの仲間ですが、比べるとスギゴケより管理が容易で育てやすいのがタチゴケです。まずスギゴケのような徒長がなく、刈り込みや間引きは必要ありません。小型で生育密度もあるため、絨毯を敷き詰めたようなきれいな群落を作ります。とくにスギゴケの生育ポイントになる夜露や早朝の朝露の影響をあまり受けないこと。このため乾燥する市街地や、夜露朝露のあたらない樹木の下でも育つなどが、スギゴケと比較したときの長所です。

東京・清澄庭園
日陰地に大きく群生しています

良いタチゴケとは


タチゴケのクローズアップ


東京・亀有
都会でも公園や庭の木陰に普通に見られます
 良いタチゴケとはまず黄緑色であること。苔が大きくぼさっとしたものでなく、小さくしっかりしたもの。生育密度があるもの。適度に土が付いていることです。
葉の色が黄緑色の苔は、比較的明るい場所で育った苔なので、植え替え後に少々陽が射しても変色しません。
小さな苔が密生したものは、乾燥しやすい場所で長い年月をかけて育った苔ですから、乾燥に強い苔です。
タチゴケには少量でも必ず土が付いてきます。杉苔の仲間はこの土の中からも旺盛に発芽するので、特にまきゴケの時には土も粉砕してたねゴケとします。
良いタチゴケの状態を説明しましたが、環境への適応力がある苔なので、少々状態が悪くてもそれほど問題にはなりません。 

タチゴケの入手方法
通販で入手できます。生産量は少ないため、まとまった量の入手は困難な場合もあります。

タチゴケの採取
タチゴケは鬱蒼とした森や里山よりも、人家の周りに大きな群落をつくります。ビニールハウスの脇に大きな群落を見たこともあります。このように邪魔な場所で自生している苔であれば、快く分けてくれることもあります。

花木センター、ホームセンター、園芸店などでパレットに並べて販売されていることもあります。ただし多くの場合は「スギゴケ」として扱われおり、またスギゴケとタチゴケが混ざっていることもあるのでよく見て購入して下さい。 

ポット栽培商品を購入

花木センターでスギゴケと混ざって販
売されています。

殖やし方 まきゴケ法

まきゴケ法
少量のたねゴケで殖やすことができます。まきゴケとは苔を粗くほぐすか粉砕し土に播きます。撒いた苔から新芽を育てて密生させるため、時間と手間が掛かります。庭へのまきゴケは降雨や散水で流されないような平らなところでおこないます。一年ほど育苗箱で育てたものを庭に植え替えた方、定着が良く管理も容易なのでお勧めです。

画像は挿し芽箱でまきゴケして90日目のもの。
右半分はキッチンペーパーで覆い、左はペーパー無し。
ペーパーがなくても良く育ちます。

庭への植え付け
はりゴケ法が一般的です。多くの苔は表土や樹木、岩上から剥がれやすく、土は付かないのですが、タチゴケやスギゴケのマットには土が付いてきます。植え付けはスギゴケと同じですが、スギゴケの土と比べて柔らかく崩れやすいので、表土に踏み付ける程度でも充分です。

画像は東京・清澄庭園のタチゴケ 5月撮影

テラリウム、苔玉素材



乾燥するとすぐに縮れてしまうため、ディスプレーや装飾素材には適していません。

丈が伸びず、生育密度があるのでテラリウムや箱庭の面での利用にはお勧めです。

上の画像は粉砕したタチゴケを樹皮培養土に混ぜて丸いボールに糸で括ったもの。制作から70日目ぐらいです。

下の画像はテラリウムのクローズアップ
密度があり、丈も伸びないので、小さな石でも隠れません

タチゴケの保管
入手したスギゴケを植え付けまで保管します。
 庭園材・・・・箱に入ったものをそのまま置くのは蒸れを起こします。特に陽の当たる場所や車内、暖房のきいた部屋などは冬でも短時間で蒸れをおこします。一時的であれば風通しの良い日陰に置きます。長く保管するときは箱から出し、風通しの良い日陰にならべます。乾燥しても水やりの必要はありません。
 パック商品・・・・密閉されたパック商品は長期保管ができません。冬でもとりあえず冷蔵庫に入れることをお勧めします。常温で置くときはパックの蓋を開け、風通しの良い日陰におきます。乾燥しても水はやりません。  パレット、ポット・・・・風通しの良い日陰に並べ、通常のとおり水やりをします。湿度がある状態で重ねて保管するとカビが発生します。 

タチゴケポット
育てながら管理できます