■排水性の良い土作り | |
@ 充分に耕した表土に通気性、保水性を良くするような改良用土(赤玉土細粒、川砂、バーミキュライトなど)を加え充分に混和します。深く耕す必要はありませんが、水が溜まらないよう水はけは良くして下さい。 ガラが多く保水性がない土には黒土を加えて土壌を改良します。 |
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■コツボゴケの準備 | |
密生したマットは広げるように使います |
A まずコツボゴケの準備をします。ほふく性のコツボゴケは密度があり、形を崩さずマット状に剥がすことができます。 B ほふく性のコツボゴケは横へ広がるように成長するので、マットが密生しすぎると成長の余地がなく、新しい脇芽も育ちにくくなります。密生したコツボゴケはそのまま植えるのではなく、コケとコケの間にスペースをつくったり、1.2倍ぐらいに広げて使います。厚みのあるマットであれば少しずつ引っ張って広げることができます。薄い物であれば5〜10cm位の大きさにちぎって、苔と苔の間を少し開けるようにして表土に並べます。下の画像はちぎって並べたものです。 |
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はりゴケ作業 | |
コツボゴケを敷き詰めるやり方で、仕上がりが美しく造園では一般的な植え付けです。しかし表土に敷き詰めて踏み固めるだけではなかなか定着できません。 ポイント・・・・同じほふく性のハイゴケやシノブゴケはほとんど仮根がありませんが、コツボゴケは仮根が発達しています。たとえば横に這った茎の先が地につくと、そこから仮根を出して新しい茎を伸ばし始めます。はり苔では仮根が土の中でも定着できるような工夫が必要です。 C 適当な大きさのコツボゴケを、広げて伸ばすように置いていきます。右画像のように苔と苔の間を少し開けて、新芽が育つスペースを作るようにします。厚く生育密度がある苔を,スペースを作らずに敷き詰めてしまうと、新芽が育たず、温度が上がると蒸れてしまいます。 |
薄く目土を入れます 直立する茎もあるため、一回の目土 の量は1u当たり10リットル程度と少し 多め。 |
D 少しあけたスペースには目土を多めに入れます。目土を入 れることで、苔を深く植えつけたことになります。 これを手で軽くたたきならします。 次に苔にも目土を入れます。ほふく性の苔なので目土の量は 少なめでも十分です。苔の頭が1〜2cm出る程度に薄めに 撒きます。目土が苔の中に入るように手でならします。 E 鎮圧 目土をかけてから軽く踏み固めて鎮圧します。堅めすぎないよ う長靴ではなく、底の平らなサンダルなどが適しています。沈み 込むほど固めてしまうのは厳禁です。 F 散水・みずやり 水やりは土が流れないように丁寧に、たっぷりと散水します。水 やりにより目土が苔の中に入ります。また流される土もあり、目 土に埋もれていた苔が現れてきます。 G 追加の目土 数日後、苔が乾いているときに再度目土を入れます。湿った目 土ではなく、乾いた目土は薄く均等に加えます。 ほふく性の苔は表土に張るイメージがありますが、コツボゴケは 目土を多めに入れ土に植え付けることで、仮根を育てるように します。 目土は苔の乾燥を防ぎ日照からも苔を守ってくれます。また 重しのように苔を固定し仮根も育ててくれます。しかし苔が埋ま るほど厚く入れすぎると、苔は蒸れて新芽も育ちませんので注 意してください。 目土つくり 目土には、新芽の生育を詐害しないよう軽く通気性のある素 材が適しています。 鹿沼土細粒、赤玉土細粒、バーミキュラ イト、ピートモス、川砂、山砂などをつかいます。 モスプランでは 川砂4:黒土2:鹿沼土細粒1 をコツボゴケ 標準にしていますが、乾燥地では保水性のある鹿沼土や黒 土、赤玉土を多めに遣い、湿潤地では水はけをよくする川砂 やバーミキュライトを多めにするなどしてください。 |
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■ 管理 育てやすい苔だが夏の管理に注意 | |
日陰で湿潤を好むため水のやり過ぎの心配が無く、日陰であ るため日照管理もほとんど必要としません。暖かくなると生育も 早く、植える場所さえ間違えなければ育てやすい苔です。暖かく なる春から梅雨明けまでは成長が早く大きく育ちます。 しかしこれが暑い夏を迎えると全面褐色化することがあります。 原因は急成長による軟弱化。ひ弱に徒長した苔は夏の暑さや 日照、蒸れに弱くなっています 管理のポイントは・・・ 旺盛に生長する時期に苔を徒長させないのがポイント。ボリュー ムがあって黄緑色の美しいマットを作り、年間で最も苔を楽しめ るこの時期に、苔が育たないように管理します。 @ 鎮圧 冬に霜柱などで浮いたコケを踏み固めて鎮圧します。時期は春 先。底の平らなサンダルなどで軽く踏み固めます。また鎮圧はコ ケの徒長を抑制する効果がありますので、あまり踏みつけを気に せず草取り作業などを行ってください。 A 目土 大きく徒長したコケは日照や乾燥、蒸れの影響を大きく受ける ことになります。徒長したコケに目土を入れることで日照や乾燥 からコケを守ります。コケが大きく成長してきたら薄く目土を入れ て軽く鎮圧をかけます。また夏本番の梅雨明け前に目土を入 れるのもお勧めです。夏に蒸れが見られるような場所では是非 試してください。 B 散水・・・・コツボゴケは湿潤を好むコケなので、水のやり過 ぎの心配はありません。水はけを良くしてたっぷりと水やりをしてく ださい。しかし水溜まりができたるような場所ではどのようなコケ でも育つことはできません。土壌改良を行うなうか、別の場所へ の植え替えが必要になります。 夏の水やりは夕方行います。朝や日中の水やりは、気温の上 昇とともに蒸れのリスクがでてきます。 除草・・・・雑草の芽が小さいときにこまめに取り除いてください。 ゴム草履のような底の平らな履き物で作業し、雑草の芽が一 斉に発生した場合は除草剤(プリグロックスL)を使います。コケ に薬害が出ますので曇った日に通常より薄めて(150倍程度) 使い、コケには集中的に掛からないようにします。 コケの上は歩き回る場所ではありませんが、作業での適度な鎮 圧は徒長抑制効果があります。あまり神経質になる必要はあり ません。 越冬・・・・雪や寒さには強いのですが、乾燥した寒風で葉や茎 が矮小化しマットの厚みも無くなります。この時期の水やりは必 要なく、暖かくなるまで置いておきます。春先、霜柱などで持ち 上がった苔は踏み付け鎮圧し、目土を入れます。雪が少なく、 寒風厳しい地域であれば寒冷紗のベタ掛けも効果的です。 |
石垣の上のコツボゴケ 暖かくなると成長が早く,美しいマットを作ります。 褐色化したコツボゴケ 軟弱に徒長したなコツボゴケは蒸れやすくなります。 徒長を抑制し、剛健に育てるようにします |
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