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スナゴケの植付け

■発行日2012.05.03


■密度のあるスナゴケのマットをできるだけ崩さずに用土に植えるのが「はりゴケ法」です。スナゴケは土に根を張っているわけではないため、マットの土は崩れやすく、或いはほとんど土がない場合もあります。このためマットは崩れやすいので、運搬や取り扱いは丁寧におこないます。段ボールに入ったスナゴケは、中敷きとともに取り出し、中敷きから滑らせるように地面に置いていきます。パレットものはヘラで土ごとすくって植え付けします。ポットものは手のひらにのせるようにひっくり返し置いていきます。苔マットが崩れていても生育に問題はありませんが、植え付ける際には苔と苔重なって厚くならないよう、均等に広げるように植え付けて下さい。      


はりゴケの時期
新芽から育てるまきゴケ法と違い、日照や乾燥に強いスナゴケのマットをそのまま植えるため、夏の暑い時期に植え付けても元気に育ってくれます。しかし大きく生育するのが4月〜7月、9月〜11月頃なので、これに合わせて植え付けた方が、あとの管理も容易になります。春は霜柱が立たなくなった頃から作業を始めます。夏は暑さが和らぐお盆過ぎころから9月中が作業の適期です。プランターや植木鉢は管理しやすく、年間を通して植え付けできます。

準備するもの
 
プランター鉢植えの場合
 ・ ヘラ
 ・ プランター・植木鉢・挿し芽箱など
 ・ 用土(鉢底用の赤玉土、川砂、黒土、赤玉土(鹿沼土)細粒、バーミキュライト、ピートモスなど)
 ・ シャベル
 ・ たね苔(生スナゴケ、または乾燥させた生苔)

庭へのまきゴケの場合
 ・ ヘラ
 ・ 川砂(または山砂)、ピートモス、バーミキュライト、赤玉土細粒など
 ・ スコップ


土を作る
  スナゴケは砂混じりの水はけのよい土を好みます。庭植の場合は充分に庭土を耕してから、川砂を混ぜます。できればピートモス、バーミキュライト、赤玉土細粒、鹿沼土細粒なども少量混ぜると良い土になります。水はけの良すぎる土は、流動性があるため大雨や散水で土やたねゴケが流されてしまい、なかなか新芽を育てることができません。もともと水はけの良い土ならば、砂や赤玉土など混ぜる必要はありませんし、必要ならば黒土を混ぜます。

プランターや植木鉢の土作り
鉢底に鉢底土(軽石、、ゴロ土や粒の大きい鹿沼土、赤玉土、底部用土)をいれます。用土(目土も)は黒土に川砂(または山砂)を混ぜて基本用土にします。あればバーミキュライト、ピートモス、赤玉土細粒などを混ぜます。表土を平らにならします。
 


はりゴケの手順                  

ビデオ スナゴケはりゴケ法のコツ   
   
苔マットを表土に並べます。崩れやすいマットはヘラを使って並べていきます。マットが広がるように軽くたたいてならします。生育密度が高いと中からの発芽が少なくなり、上にだけに伸びようとします。徒長を抑制し、新芽を殖やすために少し広がるように伸ばしてやります。
 目土は川砂を基本とします。川砂だけでは重たいので、ピートモス、バーミキュライト、黒土などを適量混ぜます。定期的な少量の目土入れならば、川砂単体でも目土に使えます。まず目土を薄くまき、スナゴケのなかに入るように手でならしてやります。目土に隠れた苔も、散水や降雨により目土が中に入り込んで安定してきます。
 目土の効果について・・・苔マットを安定させます。保湿と日照調整の効果もあり、目土を被せることで表土からの露出を少なくし、乾燥や強い陽射しからの影響を小さくすることができます。安定した水分と通気性がスナゴケからの旺盛な発芽を促します。小さな芽の生育を阻害させないため、重たい川砂だけでなく、軽く通気性のある素材を混ぜると効果的です。(赤玉土細粒、バーミキュライト、ピートモス、団粒構造のある黒土、畑土)
 たっぷりと散水します。苔が適度に露出し、マットも安定します。

管理


 ・  目土・・・・・・通気性が良く軽い目土を苔に薄く被せることで、表土の乾燥を防ぎます。,また強い日照からも苔を守るります。目土は苔の中に入り込んで苔マットを安定させます。雨や散水で目土が流されて苔が露出してくるようならば薄く目土を加えます。
 ・ 水やり・・・・・・スナゴケ管理のポイントは水やりです。スナゴケは日照や乾燥に強いというイメージから、昼間でも水やりをする方がいますが、日中の水やりは避けて下さい。炎天下でスナゴケは乾燥し葉を閉じます。雨が降るとすぐに葉を広げます。これを繰り返すことでスナゴケは強い陽射しに耐え、乾燥にも適応しています。しかし炎天下で乾燥した苔に水やりをすると、苔の中の水分温度が上昇し、葉を広げた苔は短時間に蒸れを起こしてしまいます。苔園芸で暑い昼間の水やりは厳禁です。